インフラエンジニアはやめとけ?データセンターの儲かる仕組みで考える

インフラエンジニアはやめとけと言われる理由を、稼ぎ方から考えます

インフラエンジニアがやめとけと言われるのは、夜勤を含む24時間の勤務がある現場が存在するからです。ただし、同じ職種名でも現場によって毎日はまったく違います。この差は、データセンターがどこでお金を得ているかから説明できます。

「インフラエンジニア やめとけ」で検索すると、夜勤の話がたくさん出てきます。それは事実です。

ただし、「インフラエンジニア」という言葉が指す仕事の幅が、とても広いことはあまり書かれていません。私は派遣とSESの営業をしているので、データセンターで働く人を何人も送り出してきました。同じ求人票の言葉でも、現場が変わると生活が変わります。

データセンターの儲かる仕組み|貸しているのは場所と電気と冷たさ

データセンターは、サーバーを置く場所・電気・冷却・回線をまとめて貸す商売です。お客さんが払うのは機械の代金ではなく、「動き続ける状態」に対する月額。だからこの業界は、止まらないことがそのまま商品になります。

建物を建てて、電気を引いて、冷やして、回線をつなぐ。最初に大きなお金がかかり、あとは毎月少しずつ受け取る形です。

この型は、塾や通信サービスと同じ「使わせ続ける型」に入ります。ただし1つ違うのは、設備に最初から莫大な費用がかかることでした。

実例|同じ性能なのに、東京と石狩で月4,400円違う

さくらのVPSでは、メモリ32GBの同じプランが、石狩なら月26,400円、東京なら月30,800円です。差は月4,400円、東京のほうが約16.7%高くなります。性能は同じで、違うのは置き場所だけ。この差額が、データセンターの原価そのものを表しています。

公開されている料金を並べます。

プラン 石狩 大阪 東京
メモリ512MB 643円 671円 698円
メモリ32GB 26,400円 28,600円 30,800円

料金の出どころ:さくらのVPS「仕様・料金」(月額・税込。初期費用は無料)

電卓を叩いてみる

32GBプラン:30,800円 − 26,400円 = 月4,400円の差

1年で = 52,800円の差

中身のスペックは同じです。CPUもメモリもSSDも変わりません。

では、この4,400円は何の値段なのか

置き場所にかかる費用の差です。

  • 土地代… 東京と北海道では、まったく違います
  • 電気代… 地域によって単価が変わります
  • 冷やす費用… ここが大きい

データセンターは、機械にとって最適な温度を保つ必要があります。寒い地域なら、その分だけ冷やす費用が減ります。

石狩が安いのは、北海道が寒いからでした。データセンタを寒い所にというのは世界共通の考えで、現在、イーロン・マスクは宇宙にデータセンタを作ろうとしています。宇宙は太陽の光が直接当たらない場所は-273℃近く、つまり絶対零度に近い寒さです。

逆に東京が高いのは、土地代だけではありません。近いこと自体に価値があるからです。データが行き来する距離が短いほど、反応が速くなります。

働く側から見ると、どういう意味があるのか

この4,400円の差が、そのまま仕事の中身になります。

  • 止めないことが商品なので、監視の仕事が必要になる
  • 冷やし続けることが原価なので、設備を見る仕事が必要になる
  • 近さに価値があるので、東京の現場は無くならない

「なぜ夜勤があるのか」の答えは、この料金表の中にあります。止まらないことにお金が払われているからです。

現場によって、毎日がまったく違います

同じ「インフラの運用監視」でも、暇すぎる現場と、電話が鳴り続ける現場があります。求人票の言葉は同じでも、生活はまるで別物です。未経験で入る人が最初に確かめるべきなのは、会社名でも職種名でもなく、現場でした。

私の周りには、データセンターでサーバー構築をしているエンジニアが何人もいます。運用監視をしている人もいます。そこで聞いてきたことを、そのまま書きます。

1. 中は、とても寒い

機械にとって最適な温度に保たれているので、行くと体調を崩す人が多いです。上着は必需品。

2. 「24/365」という呼び方がある

24時間365日、途切れなく見る体制のことを、現場での呼び名は「24/365(にーよんさんろくご)」

3. 忙しさが、現場によってまるで違う

実際に聞いた現場
静かな現場 夜勤が暇すぎて、眠気のほうがつらい
忙しい現場 常に電話が鳴り、待ちの人数が画面に表示されている

この2つが、同じ「運用監視」という言葉で募集されていました。

4. 長く続く現場ほど、ノウハウが人に付いている

1990年ごろのインターネット黎明期から続く現場では、当時からいる方が、記録に残っていない知識を持っていることがありました。教わるには、まず関係を作るところから始まります。

これは面倒なことのようでいて、その知識が本当に価値がある証拠でもありました。マニュアルに書けるものなら、とっくに書かれています。

未経験からインフラエンジニアを目指すとき、確かめること

未経験で入るときにいちばん大事なのは、配属される現場の性質を先に聞くことです。会社名でも資格でもありません。監視なのか構築なのか、夜勤の頻度はどうか、教えてくれる人がいるか。この3つで毎日が決まります。

1. 監視か、構築か

  • 運用監視… 動いているものを見守る。手順書がある。夜勤が入りやすい
  • 構築… 新しく組み立てる。設計を考える。日中が中心になりやすい

未経験は監視から入ることが多いですが、そこで止まる必要はありません。監視で覚えたことは、構築でそのまま使えます。

2. 夜勤の頻度

「夜勤あり」だけでは分かりません。月に何回か、何人体制、シフトは何交代かまで聞いてください。

3. 教えてくれる人がいるか

面接では、こう聞けます。

「配属先には、質問できる御社の先輩が何人いますか」

この1問で、入ってからの半年がだいぶ変わります。

データセンターの将来性|需要が増える理由は料金表に出ている

データセンターの需要が増えているのは、扱うデータの量が増え続けているからです。置き場所と電気と冷却が必要な限り、この商売はなくなりません。そして、寒い地域が安いという構造も変わりません。

料金表が示していたことを、もう一度並べます。

  • 置き場所で値段が変わる… 土地・電気・冷却の費用がそのまま乗る
  • 近さに価値がある… だから高くても東京に置く人がいる
  • 止まらないことが商品… だから見守る人が要る

この3つは、技術が進んでも変わりません。機械が増えるほど、置く場所も、冷やす費用も、見る人も必要になります。

まとめ:やめとけかどうかは、現場を聞いてから決められます

データセンターの稼ぎ方は、こうなっていました。

  • 貸しているのは場所・電気・冷却・回線。機械そのものではない
  • 同じ性能でも石狩26,400円、東京30,800円。月4,400円の差は置き場所の費用
  • 石狩が安いのは、寒いから。冷やす費用が少なくて済む
  • 止まらないことが商品なので、24時間見る仕事が生まれる

「やめとけ」と言われる夜勤は、この構造から出てきています。そして、その夜勤の中身は現場によってまるで違いました。

だから、決める前に聞いてください。監視か構築か、夜勤は月に何回か、質問できる人は何人いるか。この3つが分かれば、自分で判断できます。

他の業界がどこで稼いでいるかと並べると、この業界の位置がはっきりします。主な型をひととおり並べたのが儲かる仕組みの一覧です。

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