保険営業の年収は、保険会社から入る手数料で決まります
保険営業の収入は、契約を取ったときに保険会社から代理店へ支払われる手数料が元になっています。お客さんが払った保険料の一部が代理店へ回り、そこから営業担当へ配分される形です。だから「誰から給料が出ているか」を知らないまま働くと、数字の意味が分かりません。
「保険営業 やめとけ」「保険営業 きつい」で検索する人が本当に知りたいのは、たぶん「自分に続けられるのか」だと思います。
私は保険に入ってから20年以上、契約者でいます。その間に担当者が10人以上代わりました。その光景から見えたことを、手数料の仕組みと一緒に書きます。
保険代理店の儲かる仕組み|お客さんは保険料を払い、代理店は保険会社から受け取る
代理店の収入は、お客さんから直接もらうものではありません。お客さんは保険会社に保険料を払い、保険会社が代理店に手数料を支払います。この「間に1社入る」構造が、この仕事の性質をほぼ決めています。
| お金の流れ | |
|---|---|
| お客さん | → 保険会社に保険料を払う |
| 保険会社 | → 代理店に手数料を払う |
| 代理店 | → 営業担当に配分する |
お客さんの財布から出たお金が、いったん保険会社を経由して戻ってくる。ここが、飲食店や小売店と決定的に違うところです。
だから、最初の契約から入り方が決まります
この仕組みには、1つの結果がついてきます。契約が取れないと、収入が発生しません。仕入れも在庫も要らない代わりに、成果が出るまでは何も入らない。
そして、入社したばかりの人には、見込み客がいません。だから、家族・親戚・友人から始まる形になります。
担当者が10人以上代わりました
保険営業で長く続く人が少ないのは、身近な人に声をかけ終わった後が本番だからです。そこから先、知らない人と関係を作れるかどうかで分かれます。私が契約者として20年以上見てきた光景を、そのまま書きます。
見てきた形は、だいたい同じでした。
- 入社すると、まず家族・親戚・友人に声をかける
- その周りの人以外に契約を取れず、半年ほどで辞めていく
- 続いているのはシングルマザーの方。子育て支援の福利厚生がしっかりしている
3つ目は、この業界の良いところです。時間の融通が利き、支援の制度が整っている。だから続けられている人がいます。
正直に書くと、腹が立ったことがあります
辞めること自体は仕方ありません。合わない仕事を続けるほうが苦しい。
ただ、辞める前に連絡が来ないことには、腹が立ちました。その人のために入った契約なのに、気づいたら辞めている。
本来なら、契約が続いているのだから、後任の担当者と一緒に挨拶に来るのが筋だと思っています。
それでも、責める気にはなりません
私自身も、25歳のころは何も知りませんでした。
問題は、入ってくる人の姿勢ではありません。手数料がどこから出ていて、なぜ最初は身近な人から始まる設計になるのかを、入る前に誰も説明していないことでした。
そこを知っていれば、向いているかどうかを自分で判断できたはずです。
そして、これだけは覚えておいてほしい
辞めるときの引き継ぎの挨拶。ここをやる人は、業界を移っても信用が残る。
私は10人以上の担当者を見てきましたが、きちんと挨拶に来た人のことは、いまでも覚えていました。それは、次の仕事で必ず効きます。
乗合代理店とは?法律で「比較して説明する」義務があります
複数の保険会社の商品を扱う代理店を、乗合代理店と呼びました。保険業法では、複数社を扱う場合、他社の商品と比較した事項を提供するなどの体制を整える義務が定められています。つまり、比較されることが前提の商売です。
保険業法の第二百九十四条の三には、こう書かれています。
二以上の所属保険会社等を有する場合における当該所属保険会社等が引き受ける保険に係る一の保険契約の契約内容につき当該保険に係る他の保険契約の契約内容と比較した事項の提供……その他の健全かつ適切な運営を確保するための措置を講じなければならない
そして第二百九十四条の二には、お客さんの意向を把握する義務も定められています。
顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等の提案、当該保険契約の内容の説明及び保険契約の締結等に際しての顧客の意向と当該保険契約の内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供を行わなければならない
出どころ:e-Gov法令検索「保険業法」第二百九十四条の二・第二百九十四条の三
この2つの条文が意味していること
「売りたい商品を売る」仕事ではなく、「相手の意向に合うものを選んで、その理由を説明する」仕事だと、法律が定めているということです。
これは働く側にとって、大きな意味があります。
| 仕事の中身 | |
|---|---|
| 1社専属の代理店 | その会社の商品を、深く理解して届ける |
| 乗合代理店 | 複数社を比べて、選んだ理由を説明する |
比べる力が、そのまま仕事の力になります。暗記ではなく、違いを説明する力です。
保険営業に向いてる人・向いてない人
向いているのは、断られても関係を続けられる人です。保険は、必要になる時期が人それぞれ違います。今日いらない人が、3年後に必要になる。そのときに思い出してもらえるかどうかが、この仕事のすべてでした。
向いてる人
- 断られても関係が切れない… 断りは「今はいらない」であって「あなたが嫌」ではない
- 相手の生活を聞ける… 家族構成も、仕事も、将来の予定も
- 比べて説明できる… 法律が求めているのは、まさにこれ
向いてない人
- 身内に声をかけることに強い抵抗がある… 構造上、最初はそこから始まりやすい
- 毎月の成果で気持ちが上下する… 契約が無い月は必ず来る
どちらが優れているという話ではありません。ただ、知らずに入って半年で辞めるより、知ってから決めるほうがいい。
会社に保険営業が来るのは、なぜか
職場に保険の営業が来るのは、そこに人がまとまっているからです。1人ずつ訪ねるより効率がよく、同僚同士の紹介もつながりやすい。これは代理店の側から見れば、当然の判断でした。
働く側から見ると、この形には良い面と難しい面が両方あります。
- 良い面… 短時間で多くの人に会える。紹介が広がりやすい
- 難しい面… 相手は仕事中で、じっくり聞ける状態ではない
だからこそ、短い時間で「あなたに必要かどうか」を判断できる材料を渡せる人が強い。売り込む人ではなく、整理してあげる人です。
まとめ:手数料の出どころを知ってから決められます
保険代理店の稼ぎ方は、こうなっていました。
- お客さんは保険会社に払い、代理店は保険会社から手数料を受け取る
- 契約が取れないと収入が発生しないので、最初は身近な人から始まりやすい
- だから身近な人に声をかけ終わった後が本番になる
- 乗合代理店には比較して説明する義務が法律で定められている(保険業法294条の3)
「やめとけ」と言われる理由は、この構造から出ています。ただ、それは仕事が悪いのではなく、入る前に説明されていないことが問題でした。
手数料の出どころを知っていれば、向いているかどうかを自分で決められます。そして、もし辞めるとしても、引き継ぎの挨拶だけはしてください。それは次の仕事で必ず効きます。
他の業界がどこで稼いでいるかと並べると、保険という商売の位置がはっきりします。主な型をひととおり並べたのが儲かる仕組みの一覧です。

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